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院長が現場の仕事から離れても、継続的な成果を生み続けることができるように、スタッフの強みを引き出して組織としての力を高めていくことがマネジメントの役割です。具体的には、組織を機能させる人材を選別、配置、育成、評価、採用する制度を体系的に整備すること、及び、スタッフとのコミュニケーションを図る場を設けることが必要です。

 選別
継続的に高い成果を出せる強い組織へと変革していくには、まず医院としてのビジョンを明確にすることです。ビジョンとは、5年後、10年後に自分たちの医院はどう進化するのかという未来を規定するもの。ビジョンを示すことで、現在とのギャップが明確になり、未来の実現に向けての目標が設定できるようになります。そして、組織が目指す目標が決まったら、スタッフ全員に示すことが必要です。なぜなら、スタッフ全員が同じ目標を共有できるとは限りません。目標を共有できないスタッフと一緒に仕事をすることはお互いの不幸になりますから一緒に行動できるスタッフを選別することが求められるのです。


 配置
ビジョンを達成する近道は、各スタッフの特性を活かすことであり、すなわち、それはスタッフの強みが活きる役割を与えるということです。

そして、スタッフに役割を与えるならば、同時に期待する成果も明確にすることです。どのような成果を求められているかわかれば、スタッフは何を、いつまでに、どうすればよいのかという具体的な目標を設定できるようになります。

もうひとつ明確にすべきことは、それぞれのスタッフの役割を組織全体に示すことです。各スタッフの役割が組織全体の中でどのような意味を持っているのかが理解できるとスタッフ全体が協力することを惜しまなくなります。


 育成
期待する成果を明確にして、各スタッフに目標を持たせる以上、それを達成するために必要な能力を身につける為の育成プログラムを組織として整備しておくことが必要です。人が育つかどうかは、入職してくる人の問題だけではなく、育てる側の問題もあります。規模が小さく、高い労働条件を整備できない医院は、優秀な人材は採用できないという心積もりで育成プログラムを考える必要があります。つまり、平均点以下の人材が入ってきても、短期間で能力を身につけるプログラムにすることが重要課題といえます。


 育成プログラムの基盤となる「守破離」という考え方
日本古来の武道や華道などの芸術分野には「守破離」と呼ばれる伝統的な育成プログラムがあります。「守破離」とは、物事を会得するときの過程を意味する言葉で、道を極めていくためには、順を追って段階を踏んでいかなければならないというのがその考え方です。

「守」は、効率的な型を学ぶ段階です。この段階は、当たり前のことが当たり前にできるようになるように基本型を忠実に学ぶことが大切であり、マニュアルとロールプレイングによる習得は「守」の段階であると言えます。

「破」は言葉の通り、基本型を破る段階です。基本型を会得したら、創意工夫を重ね、基本型には無い手法などを取り入れていきます。「破」は「守」の上に成り立ちます。いきなり「守」を飛ばして、応用の段階である「破」を試みても得てして上手くいかないものです。

「離」は独自の型を確立する段階。試行錯誤を重ねて、やっと見えてきた自分の型を、実践と改善に基づき磨き上げることで、基本型から前進し、「独自の型」を創る段階。

「守」は基本型を身に着ける段階、「破」はその型を破って応用する段階、「離」はそれらに創意を加え、自分独自の型を確立する段階です。型を守り(基本)それを破り(応用)、そして型を離れる(独自)。道を極める成長段階は、守・破・離の三つの段階に分けられるのです。


 評価
育成プログラムを整備したら、それに連動する評価制度を持つことが求められます。なぜかというと、プログラムを通じて能力が上がったとしても、その成長を正しく評価して報酬に反映する仕組みがなければ、育成制度は組織の中に定着しません。成長に対する評価があり、評価に応じた報酬があるから、人は努力を続けることが出来るのです。努力を積み上げて成長したスタッフと頑張らないスタッフの評価が同じなら、頑張らなくなるのが当たり前です。つまり、成長すれば正しく評価される制度を組織として整備しておく必要があるというわけです。


 人材を人財に変えるキャリアパス
人が育つ条件として必要なことは、組織の中での各スタッフの役割が明確になっていること、役割を果たすための能力を身につける機会があること、そして、能力を身につけて成長した人材を正しく評価することです。これらを実現させるための方法がキャリアパスです。

キャリアパスは、現在の仕事が将来どのような仕事に繋がるのかを職種と等級のつながりという形で明確にしたものです。これにより、スタッフは中長期的にどのような能力を身につけるべきかを理解できるともに、どのようなチャンスが得られ、それを活かすことでどういったポジションに就けるのかをイメージできるようになります。

職種それぞれの等級に、求められる役割とそれを達成するために必要な能力が定義されています。必要な能力を身につければ、等級がアップし、その等級に応じた役割を担うという人材育成のロードマップです。入職すると、現時点での能力に応じて等級を決定します。相応の能力を身につけたと評価されると上の等級に昇格します。必要な能力は、それぞれの職種において設定され、どの等級になれば、どのくらいのことができるべきか明確になっています。

歯科医師や歯科衛生士だけでなく、歯科助手や受付などの職種の人たちにも、やりがいの持てる環境を整備する。その為には新しい能力を身につければ、それを実践できるひとつ上のステージを提供する。キャリアパスは、そんな考え方をベースに設計します。


 採用
採用とは、医院が目指すビジョンに向かって突き進んでいくための原動力となりえるような人材を獲得するための活動です。ですから、歯科医院の将来像つまりビジョンが明確化されていることが前提となります。

採用に関しては、能力という観点よりも、ある才能をもった人材を採るという観点で考えることが必要です。才能はその人固有のものであり、教育できるものではありません。優れた能力を持つ人よりも、自院の診療スタイルに合った才能を持つ人を採用することのほうが大切です。

人材募集を行っても応募者数が少なく、少ない人数の中で採用をしている医院は、給与、賞与などの待遇条件を上げてでも、良い人材の獲得に踏み切らねば、今後ますます激しくなる経営競争に生き残ることは出来なくなるでしょう。優秀な人材は、様々な仕事をこなしていく力を持っていますから、優秀な人材を獲得することが費用対効果の高い投資といえます。優秀な人材をストックできる医院が最終的に勝ち残るのです。


 





















 
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